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植田 祥平; 江森 恒一; 飛田 勉*; 高橋 昌史*; 黒羽 操; 石井 太郎*; 沢 和弘
JAERI-Research 2003-025, 59 Pages, 2003/11
高温工学試験研究炉(HTTR)の出力上昇試験を実施した。HTTRの燃料性能を評価するため、原子炉保護設備の1次冷却材放射能計装,燃料破損検出装置(FFD),1次冷却材サンプリング設備により1次冷却材中の放射能濃度を測定した。その結果、1次冷却材中放射能濃度は10Bq/cm以下であり、Kr及びXe核種の濃度は0.1Bq/cm以下であった。Kr放出率(R/B)値は、原子炉出力60%以下において約210、定格30MW出力時において約710であった。事前解析によるKr放出率の予測値は、測定値とよく一致し、希ガスの放出機構が、燃料コンパクトマトリックス部の汚染ウランの核分裂により生成し、反跳から拡散へと変化することが示された。
沢 和弘; 飛田 勉*; 植田 祥平; 鈴木 修一*; 角田 淳弥; 関田 健司; 青木 和則*; 大内 弘
JAERI-Research 2001-002, 33 Pages, 2001/02
高温工学試験研究炉(HTTR)の燃料に対する設計方針では、「初期破損率は0.2%以下」、「運転中の追加破損は十分許容しうる小さな値に制限する」と定めている。そのため、HTTRの運転中に破損率を定量的に評価する必要があり、1次冷却材中の放射能を測定する、原子炉保護設備の1次冷却材放射能計装、燃料破損検出装置(FFD)、1次ヘリウムサンプリング設備を設けている。HTTRの出力上昇試験のうち15MWまでに取得したデータを用いて、燃料及び1次元冷却材中の核分裂生成物挙動の評価を行った。まず、1次冷却材中の核分裂生成物ガス濃度はすべて10Bq/cm以下であった。また、1次冷却材中のKr濃度とFFD計数率はほぼ比例関係にあること、事前解析とサンプリングによるKr濃度の出力に対する傾向が合っていることがわかった。
桜井 文雄; 熊田 博明; 神永 文人*
日本原子力学会誌, 42(4), p.325 - 333, 2000/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)本研究においては、サイフォンブレーク弁の炉心冠水維持装置としての性能を評価するためのプログラムを開発し、その試験・研究炉への適用性を実験的に検討した。本プログラムにおいては、サイフォンブレーク弁から吸入された空気と1次冷却水が配管内において完全に分離するとした気液完全分離モデルを採用した。本モデルにより、サイフォンブレーク弁の炉心冠水維持性能は確実に評価できることを検証した。また、非常に流出流量が大きい1次冷却系配管破損事故における冷却水流出事象を精度良く解析するためには、空気の巻き込みを伴う渦(air-entraining vortex)の発生を考慮する必要があることが明らかとなった。
坂場 成昭; 江森 恒一; 猿田 徹
JAERI-Tech 99-072, p.125 - 0, 1999/10
HTTRの1次系には黒鉛の酸化防止及び配管材の腐食防止の観点から、1次系温度400以上において不純物濃度を規定している。系内の化学的不純物であるH,CO,HO,CO,CH,N,Oはヘリウム純化設備の酸化銅反応筒、モレキュラーシーブトラツプ(MST)、コールドチャコールトラップ(CCT)を用いて除去され、不純物濃度はヘリウムサンプリング設備の水分計及びガスクロマトグラフ質量分析計により測定される。本報では、系統別・総合機能試験の確認試験(3)において、HTTRとして初めて実施された、ヘリウムサンプリング設備の自動サンプリングを用いた正規の手順による不純物濃度測定試験について、不純物濃度変化を示すとともに、トラップの除去効率、除去速度及び除去量について評価した結果を示す。系統の到達温度約210までにおいて、酸化銅反応筒、CCTについては、十分な除去能力を有していることが確認された。また、MSTにおいては1次系のCOに対する除去能力は十分であることが確認されたものの、HO及び2次系のCOに対しては想定値を下回った。今後は、出力上昇試験初期の不純物濃度に規定のない1次系温度400以下までの段階において、MSTの除去能力について再度検討・評価する。
吉島 哲夫; 田中 純利; 根本 傳次郎
JAERI-Tech 98-052, 69 Pages, 1998/11
研究炉部では、3基の研究炉を運転管理し、減速材、冷却材及び反射材として使用するために約41トンの重水を保有している。これらの重水は、米国、カナダ及びノルウェーから輸入している。このうちのカナダから輸入した重水は、日加原子力協定において国際規制物質としての管理が義務付けられていることから全ての重水は国際規制物質に準じた方法で厳密な計量管理を実施している。本報告書は、各炉での在庫量の変動と重水の計量管理等についてまとめたものである。
諏訪 武; 安中 秀雄
防食技術, 32(12), p.721 - 729, 1983/00
原子炉除染技術の最近の開発状況について、1次冷却系を対象とした化学除染法を中心に解説した。化学除染剤はBWRとPWRとに分けて考える必要がある。BWR用の除染法はすでに燃料棒を含めた全系統除染がCan-Decon法、およびLOMI法で行われている。これらの除染はすべて放射性腐食生成物(クラッド)の還元溶解である。一方、PWRの除染はクラッド中にCrの成分が多いため、酸化前処理を行ったのち、BWR同様還元溶解を行っている。しかし、まだ開発中のものが多く実機に適用されていない。最近の除染法の特徴は?材料に対する低腐食性、?高DF、?除染廃液発生量が少ないこと、の3点を中心に開発が行われているが、特に?の比重が高まってきている。そのため希薄溶液法の開発が盛んである。化学除染法以外の除染法については、最近の興味ある除染法についてのみ簡単に紹介している。
近藤 忠美; 田中 純利; 吉島 哲夫; 重本 雅光; 飯田 省三; 堀木 欧一郎; 佐々木 吉方
JAERI-M 8076, 33 Pages, 1979/02
JRR-3一次冷却重水系はステライト磨耗粒子の放射化によるCoや燃料破損によるウラン、核分裂生成物等によって汚染されており、原子炉機器の保守作業などに支障をきたしている。一方、JRR-3は炉心を含む一次系全体の改造計画が進められているが、それに伴って解体作業時の被曝の低減、撤去機器の放射能汚染レベルの低減化のために一次系の化学除染が望まれている。数多い化学除染法の中から、カナダのCANDU型原子炉で実証されていて、重水に除染剤を直接添加して化学除染できる特徴をもつCAN DECON法を選定し、JRR-3一次系の汚染の状態を調査した。一次系内のスラッジからCo、ウラン、プルトニウム、核分裂生成物などが検出され、それらの核種はCoを含むステライトを除いて、CAN DECON法によって効果的、経済的に化学除染できることがわかった。